元ビートルズのメンバー、ジョージ・ハリソンの息子が、父が残酷に刺された夜のことについて、重い口を開いた。血に染まった父親を介抱しながら、死なないでと心から叫んだ過程を話したのである。

熱狂的なファン、マイケル・アブラムに心臓近くをさされ、ジョージはまさに瀕死と言ってよいような状態で、これ以上悪くなりようがないほどであった、そうダニ・ハリソンは話している。

英国の片田舎のジョージが住んでいる30エーカーの土地、そこのはなれのロッジでダニは暮らしていたが、去年の12月30日アブラムが侵入し、ジョージの肺を破り、心臓をかすめる危害を加えたその時もそこで眠っていた。

「僕は家政婦のラシェルに起こされました、『起きて、起きて下さい！何かがあったんですよ』って叫んでね。」22歳のダニはロンドンの11月19日付けのピープル紙にそう語った。

「入ると・・・僕はすぐに『血』に囲まれました。床には2ヵ所血が水たまりのようになっていて、壁や、割れたガラスにも血がついていました。正直父は死ぬだろうと思いました。顔は蒼白でした。彼の目からは、苦痛が見て取れました。父はこう繰り返していました。『ああ、ダン。ああ、ダン』。」

「僕はこう言いました。『静かに、そのまま静かにしてなきゃだめだよ』って。頭の中はただもう父を生かすにはどうすればいいかということだけでした。生死の境にいる人間を見るのは2回目でした・・・祖父の死に目にも会いましたけど・・・つらいものです。」

襲撃犯は精神異常が理由で無罪となり、精神病院に収容された。